NO.170 人の振り見て・・・。
実は書こうかどうしようか迷っていました。
かなり腹が立って、やがて哀しくなってしまって。
感情に任せて書くのが嫌だったので、少し冷静になってからと・・・。
何日か経ちましたが、やはり哀しい気持ちは収まりません。
もしかしたら私がおかしいのかもしれない、そう思うくらいでした。
ここはとある自然のカタクリの群生地で、最近かなり有名になりました。
山の中で特に管理する人間がいるわけではなく、登山道に沿ってロープが張ってあり
林の中に立ち入らないよう注意書きが書いてあるだけです。
数年前までここへ来るのは地元のごく一部の方たちや登山をする方達だけで、
ほとんど一般の人が来るような所ではありませんでした。
以前は中に自由に入ることができたのです。
しかし近年急激に見に来る人が増えて、盗掘する人や群生地の中に入り込んで
花を傷めたり他の植物まで荒らしてしまう人が多いため、昨年から立ち入り禁止になり
横の登山道からしか撮影できなくなりました。
その日私はかなり早く着いてまだ誰もいない時間から、日が差して
花が開くのを待っていました。
私はもちろん登山道で待っていて、中に入ることはしませんでした。
ところがしばらくして二人の50代後半くらいの女性がやってきて
当たり前のように立ち入り禁止区域の中に入っていきます。
「可愛い」「こっちの方が色がいいわよ」などといいながら・・・。
もちろん足元はカタクリを踏んで歩いています。
そしていい花を見つけたのか、その場で寝転んで撮影を始めました
身体の下は彼女達にとって被写体にならない可愛くないカタクリが潰れています。
本格的に写真をやっている方々なのでしょう、レフ板まで用意してあちこち移動しながら
撮っています。
そして邪魔な?雑草を抜いたり、下の枯葉などをどかしては撮影しています。
まるで自分の家の庭にでもいるようです。
注意しようと私が口を開きかけたとき、同じ年代くらいの女性の6人グループがやってきました。
私の目の前をまた、当たり前のように「ここが一番沢山咲いてる」「わー。凄い」などと
話しながら中に入っていきます。。。
お尻を突き出して必死にカタクリを撮る姿、普通なら微笑ましいような姿です。
でもあなたの身体の下には沢山のカタクリが咲いていることを知っているはずです。
この後も更に年配の孫でもいそうな老人グループの人たちも
「入っちゃまずいんじゃないの?」という人がいても
「大丈夫、踏まないようにすれば」などと言いながら6人もの老人達が
平気で入っていってしまう。
もうこの時点で注意する気も、写真を撮る気もなくなった私は
帰り支度をして帰りました。
日本人は一体どうなってしまったんでしょうか?
ルールとかマナーとかはどこにいってしまったんでしょうか?
この人たちは本当に花や自然が好きなのでしょうか?
この人たちに育てられた子供や孫はどうなっていくのでしょうか?
今の若い者は、などと言える中高年の人はもういないのでしょうか?
この人たちは特別ではなくて普通なんでしょうか?
私がおかしいのでしょうか。
私が帰るときに登山を終えて帰ってきた30代くらいの夫婦が、それを横目で見ながら
苦々しい口調で「どうしようもないな・・・」とつぶやきながら通り過ぎていきました。
私は自分がカメラを持っているのが恥ずかしくなりました。
もう、ここにも来たくなくなりました。
10年以上も毎年通ってきていましたが・・・。
私が帰るときも次から次へと年配の方たちがやって来ました。
私はもう振り返ることもなく下って帰りました。
道端からでも写真は撮れるのに・・・。
by tontonto-n | 2007-04-12 23:56 | その他